院長ブログ
Blog2026年2月9日
(1)軽度認知機能障害は将来どうなるの?
(2)アルツハイマー型認知症の診断に必須のアミロイドβは、調べたほうがいいの?
疑問に答える、参考となる発表がありました。
軽度認知機能障害とは、認知症正常でもない、アルツハイマー型認知症でもない、その中間の状態です。
具体的には、何回も同じ質問をする、置いた場所を忘れて捜しものする、蛇口の締め忘れをする等です。
これを年中繰り返すと認知症の疑いがありますが、時々見られるのみで、自分のことはすべて出来る状態です。
年なりの物忘れがある状態と理解してください。
(初期アルツハイマー型認知症との鑑別は意外と難しいのですが)
久山町全町民(人口約9000人)で上記と診断された380名の5年後について報告がありました。
正常 119名 36%
軽度認知機能障害 102名 31%
認知症 106名 36%
軽度認知機能障害は5年経過すると三分の一は認知症になりますが、三分の一は変わりなく、三分の一は正常になります。
年なりの物忘れがあっても、認知症にならない方が多いです。
現時点で、アルツハイマー型認知症の最終診断には、脳内にアミロイドβの蓄積確認が必須です。
では認知機能の異常のない方、いわゆる正常の人のアミロイドβの蓄積はどの程度あるかという報告です。
70歳以上 20-30%
80歳以上 30-40%
70歳以上になると認知機能正常でもアミロイドマーカー陽性率は結構高いとのことでした。
60代 18%
70代 32%
80代 41%
こちらの陽性率も高いです。
1492名のうち5年間で軽度認知機能障害への進行は20%以下。
何と80%は正常のままでした。
認知機能正常の人が、認知症を心配してのアミロイドPET施行は、推奨されませんとのことでした。