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2025年9月16日

講演会報告

2025年3月の講演報告3回目です。
3回目は認知症の予防についてです

第3回 認知症の予防

認知症の予防については、効果判定が実はとても難しいです。  
「3た論法」ご存じですか。
例えば、イチョウ葉を服用しました、認知機能が良くなりました、イチョウ葉は認知機能改善に効果あります。
「使った、良くなった、だから効いた」。
これでは飲んでいる方と飲んでいない方の比較が無いので、効果の判定が正確に出来ないのです。  
今回は2019年にWHO(世界保健機構)が発表した認知症の予防についての報告と、2024年日本認知症学会の報告を中心に述べます。
腑に落ちないところもあるかも知れませんが、さらっと読んで参考にしていただければと思います。

⑴運動

  1. ①筋力トレーニングより有酸素運動が有効
  2. ②ウオーキング
    一回20-60分、週3-5回

⑵禁煙

喫煙者は非喫煙者に比較して1.3倍発症する。

⑶食事

地中海食がいい
地中海食――果物、野菜、魚、オリーブオイル使用した食事

⑷サプリメント

ビタミンB、ビタミンE、不飽和脂肪酸、ベータカロチン、メラトニン、
イチョウ葉は効果なし

⑸減量

中年期の減量は推奨、老年期は不明。
老年期は減量するとサルコペニアと言って筋肉量が落ちることがあります。
基礎疾患があってもしっかり食べた方がいいようです。

⑹難聴

難聴が認知症の原因となるかは不明だが、補聴器使用でコミュニケーションの改善、さらに認知症予防が期待できる。

⑺睡眠

時間53分から7時間14分。以上でも以下でも効果なし。(学会報告)
昼寝は39分以内

⑻頭を使う活動

クロスワードパズル、読書、楽器演奏、絵を描く、書字等については「認知症機能低下や認知症の危険を減らすために行ってもよい」。
運動よりも推奨度は低い。
嫌がる人に無理矢理やらせる必要は無い。

⑼社会活動

自治会活動、ボランティア等の認知症予防効果は不明。

⑽歯周病

歯周病があると認知症発症率1.38倍。因果関係は不明。
歯周病予防で認知症予防できるかは不明。